【相続コラム】土地や建物が先祖の名前になっている・・・・

相続手続をやっている中で、先々代やさらにその前の代の方の名義となっている不動産の名義変更のお話を伺うことがあります。

 「なぜ今まで手続をしなかったのですか?」とお伺いすると、「相続人を辿ると、すごくたくさんの人が出てきて、みんなからハンコをもらうのが大変だ!という話を聞いたからそのままにしておいた」と話されることがあります。

確かに、時間が経過しますと、相続人にまた相続が発生して、手続が大変なケースも多くありますが、中には例外もあります。
 
旧民法が適用されていた時代には「家督相続」という制度がありました。

昭和22年5月2日までにお亡くなりになった方で、戸籍を確認した際に「家督相続」である旨が確認できれば、その戸籍謄本だけで手続を進めることができます(登記原因は家督相続)。したがってこの場合の名義変更には、相続人全員による遺産分割協議の作成や署名、実印の押印等をお願いするようなことは必要ありません。

だだし、先々代の方の相続が家督相続で終えたとしても、次の代の方の相続が現在の民法が適用されるのであれば、その代の方の相続は通常通りの遺産分割協議をする必要があります。

いろいろな情報は入手できる昨今ですが、できるだけ人から聞いた話やインターネットで調べた情報だけを自分の判断材料とすることは避け、少しでも不安があれば、信頼できる専門家に相談するなどして、より確実な情報を得るように心がけましょう。

行政書士 青木克博

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