【相続コラム】相続人に中に行方不明者がいる場合

例えば、お父様が亡くなり、法定相続人は奥様と、長男、二男の3人だったとします。

遺言書がない場合、この3人で遺産分けの話し合いを進めていきますが、もし、そのうちの一人、例えば二男が数十年間消息不明というような状態だったらどうしたらよいでしょうか。いわゆる相続人の中に行方不明者がいる場合です。

連絡を取る手段もなく、住居関係も不明なまま相続が発生してしまった時は、その行方不明者を除いて遺産分割協議ができるでしょうか。

もちろんそれはできません。

相続手続きは相続人全員による協議が必要なため、不動産、預貯金などの遺産は行方不明者がいる状態のままでは手続を進めることができません。

このように見つかる見込みや、見つける手段もないときは家庭裁判所に「不在者財産管理人」の申し立てをします。不在者財産管理人は不在者の財産を管理して、不在者が現れたときに、本人にその財産を引き渡す役割を持っています。

このように相続人の中に行方不明者がいると相続の手続きがスムーズに進まないことがありますので事前の対策が必要となります。

行政書士 青木克博

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