独身で子供のいない兄が亡くなり、唯一の相続人である弟さんがその相続財産を調べたのですが、両親から引き継いだ自宅不動産については確認がとれたものの、肝心な金融資産の中身がさっぱり分からなくて困っていました。
兄が出入りしていそうな銀行を順にあたり、ようやく3件目のT銀行に口座があることが判明し、そこで預金照会の結果、数本の定期預金があることが分かりました。
その他ゆうちょ銀行、メガ銀行なども確認しましたが取引はありませんでした。
弟さんは、もうこれ以上兄が他の金融機関に預入している見込みもないから調査を止めるつもりでしたが、念のため、農協と労金に足を運んでみたところ、あるはずないと思っていた農協に普通貯金、定期貯金がありました。雰囲気や感覚も重要ですが汗と執念での財産調査となりました。
マイナンバーが預金に完全に紐付されてしまえばこのようなこともなくなるのかもしれませんが、とはいえ生前の財産整理、資産一覧表の作成などは非常に重要です。このお兄さんの財産はまだ他にもあるかもしれません。でもそれは本人にしか分かりません。
エンディングノートを上手く活用しながら遺された家族が迷わないための十分な対策が必要ですね。
行政書士 青木克博