【相続コラム】法定相続情報証明制度

不動産名義変更や銀行預金の解約、証券口座の名義変更など、ありとあらゆる相続の手続きには、相続人が誰なのかを証明するために、亡くなった人の出生から死亡までの全戸籍(除籍)謄本(戸籍書類一式)の提出が必要です。それが法務省から「法定相続情報証明制度」を来年度創設する発表がありました。登記所に「戸籍書類一式」を出すことで、その内容を示す証明書が交付され、その後の銀行手続などはこの証明書を提出して行うというものです。

現在では戸籍書類一式(原本)を提出してコピーを取ってもらい、原本は返却してもらいます。この作業を手続先ごとに繰り返してる訳ですが、それを証明書で代用できるというものです。ただ、新制度でも一度は「戸籍書類一式」を取得する必要がありますので、大幅な簡素化まで期待できるものではないかもしれません。

相続人関係が複雑だったり関係人数が多い時など確認作業に膨大な時間がかかることもありますが、金融機関はいちいち戸籍を確認し、大量にコピーする作業がなくなるわけですから、大幅に負担が削減されるのは金融機関かもしれませんね。

将来的には、相続戸籍とマイナンバーを連動でき、最初から除籍や原戸籍を集めることなく、相続手続きができるようになる時代が来るのかもしれません。

行政書士 青木克博

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